ベターッと開脚についてのご質問が多いので話します。/私の見解

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「どんなに体がかたい人もベターッと開脚」

  • …という本を読みましたか?
  • …あれってどうですか?

というご質問が多いので私の見解を話します。

※お身体を大切にする仕事をしているという視点で話します。
 本やメソッドについて、良いとか悪いという話ではありません。
 以下で私が話す言葉の一つ一つを、目先の言葉ではなく、大きな意味で捉えてください。
 また、文字だけでは限界がありますので、私の言っていることと、あなたのご理解に誤差があると思います。
 当院ご利用者の方は、ココを読むだけじゃなく、気になるのであれば来院時にご質問ください。

 ただし、 本は「情報」を売ることで利益を得る商品なので、
 メソッドの内容を教える等は致しません。

00.はじめに…なぜこの本について語るのか?

01.開脚は必要か

02.開脚するためのストレッチは必要か

03.本の問題点

04.4週間行う基本のストレッチについて

05.1週間目に行う内腿のストレッチについて

06.2週間目に行う壁ストレッチについて

07.3週間目に行う椅子ストレッチについて

08.4週間目に行うドアストレッチについて

09.スクワットの姿勢もそうですが…

10.私がやってみての感想

**********

00.はじめに…なぜこの本について語るのか?

電車の中吊りでこの本の広告を見た時には、すごく興味が湧きました。
購入検討のために本屋さんでパラッとだけ見ました。

見ましたら、

以前当院にみえていたバレエの先生がお話しされていたメソッドと似たような内容が掲載されていました。

ですので、私にとっては「新しい情報」として必要ではなかったので購入しませんでした。

しかし、広告力と影響力がすごいようで、
元々みえている患者さんや新しくみえた患者さんから、ご質問やご相談を受けるようになりました。

  • 「あの本ってどうですか?」
  • 「あの本で本当に開脚できますか?」

  • 「あの本を実践したら膝が痛くなりました。」
  • 「あの本を実践して腰が痛くなりました。」

これらのご質問ご相談には、
身体の仕組みの基本を話すことで対応して参りました。

本屋さんに並ぶ全ての「情報」に個別に対応することは出来ませんので、似たようなご相談には、基本的な話をすることで対応しております。

しかし、ここまで社会現象?になっているので、本を読むことにして購入しました。

  • 読んでみて
  • 実践してみて

膝や腰が痛くなった人は、本の内容が分かりにくかったから痛くしてしまっただろうことが推測出来ました。

本のアドバイスが足りない可能性があると私は感じました。

そして、もしそれらが本という「文字の世界」で、うまく説明されていたとしても、対面ではないという限界もあると、感じました。

だから、身体を傷めている人のために話したい。

そして、

人さまの作品なので、私がどうこう言うのも恐縮です。

でも、身体を傷めた人が、メソッド自体が悪いわけではないということを知る一助になれば作品にとっても悪くない。

という想いでブログに書くことにしました。

01.開脚は必要か

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個人的には、開脚はかっこいいと思っています。

でも、ふつうの生活をしている人に必要か不必要かといえば、不必要だと考えています。

股関節には適当な柔軟性があった方が良いです。

でも、開脚というところまでするには、筋肉の柔軟性だけではなく、靭帯を緩めます。
靭帯は、支持するという働きをするもの
なので、
緩すぎると本来の機能を果たしづらくなります。

02.開脚するためのストレッチは必要か

ゴールを「開脚」にしない。

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という条件の下で、必要と言えます。

股関節には適当な柔軟性があった方が良いからです。

あまりに硬い人は、安全に留意し、
本の縮小的(無理をしない)なストレッチを実践して、
今よりは少し柔軟にするのは、身体にとって快適です。

03.本の問題点

アドバイスが足りないと感じました。

  • 狙いが何/どこ
  • こうするのは危険
  • 揺するってどのように?

という三点が分かりづらかったです。
痛くした人は、分かりづらいから、勝手な解釈で行ったのではないかと推測します。

  • 狙いが何/どこ?
    どこに効かせるのか?何のためにするのか?
    ということが書かれていません。
    運動0(ゼロ)からの人は書いてあってわかるかわかりませんが、運動について多少なりとも考えて行っている人ならば、ここを明示してくれたら怪我はしないと思います。
  • こうするのは危険
    このストレッチでココに刺激が出ている場合は違います。というようなことも添えてあったら良かったと思います。
  • 揺するってどのように?
    6種類案内されているストレッチはいずれも「揺する」という表現がされています。
    しかし、文字による説明も図に矢印もないのでどう揺するのかがわからなかったです。

いずれも狙い等がわかりにくいと感じました。
※以下、04.からの項目は、私なりに推測した意図から読み取った話です。著者の意図に合っているかはわかりません。

04.4週間行う基本のストレッチについて

①タオルストレッチ
意図としては脚の背面をストレッチしながら、股関節を動かす。
ということなのかな?と思います。

無理しないで良いというアドバイスが書かれていますが、どこからが無理になっているかがわからない方が膝を傷めていると推測します。

脚の背面を伸ばすのは良いけれど、腿を内側に回した状態(多くの女性の姿勢)で爪先だけを身体側に引く・変な力みがある場合、膝が反対側(逆側)に折られる負担が強すぎると思います。

②シコストレッチ
内腿と脚の付け根に刺激がいくといいのかな?
と思います。

上半身をどの程度前に倒していいかの案内が正面からの写真だけでは分かりづらいです。

手順3の図がないので分かりにくいです。
この手順3も揺するのか?揺するなら回数?時間?の表記もないので分かりづらいです。

05.1週間目に行う内腿のストレッチについて

これは屈伸運動ではなく、伸脚運動ではないか?と思います。

この時も、内腿と股関節に刺激がいくといいのか?と思います。

それを無視してポーズだけ追うと膝を反対に折る負担が強すぎると思います。

06.2週間目に行う壁ストレッチについて

壁際で行い、手順2で「揺する」という「揺する」動作に文字による説明も図による説明もないのでどのように揺するのかわからない。

わからないということは良くない方向に揺する人もいるのではないか?と推測します。

07.3週間目に行う椅子ストレッチについて

手順2の揺する方向が示されていないのでどう「揺する」のかがわからない。

08.4週間目に行うドアストレッチについて

手順2の揺する方向が示されていないので、どう「揺する」のかがわからない。

09.スクワットの姿勢もそうですが…

腿を内側にしたままこれらのストレッチを行うとポーズのゴールには辿り着けるけど、膝を痛くする危険が増えます。

先生の姿勢を良く見て、先生のように行います。
先生の姿勢通りに行えば、安全ですし、本当に刺激をしたい(動かしたい・伸ばしたい)場所を刺激できます。

10.私がやってみての感想

「傷めた…」
とおっしゃる方々がどこでつまずいたのかを知りたかったので、案内されている6種のストレッチを一通りやりました。

本当は、段階を踏んで案内されているものは段階を踏んで期間をかけてやるべきです。

本などで紹介されているストレッチの類いは、
回数や時間を守ることが安全に行う上で大切です。

私の狙いは違うので、まずは何か問題が出たら自己責任という覚悟で、全部をやってみました。

04~09で述べたとおり、説明が足りないと感じました。

それでも、先生の意図を予測して、開脚に
つながりそうなイメージで行いました。

一晩寝て、起きた時には、
確かに身体がケアされている感じがしてメソッド自体は良い物だと実感しました。

それでも、

  • 開脚=かっこいい
  • どうしてもやってみたい

という人のことは止めませんが、
開脚ほど靭帯を緩めたなら

  • それを支える筋肉群も適度に鍛える
  • 姿勢や体操を充実させたる

必要があると思います。

  • もう少し身体を柔軟にしたい
  • 健康でいたい

というくらいの人は開脚までする必要はありません。

そして、何かにひっかけて行う柔軟
(例えば下図は床にひっかけている)

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より、

より自力で行うものの方が身体にとって安全です。
(例えば下図は自分で脚を上げられる力のもとに行っている。)

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このメソッドの完成ポーズではなく、
効かせて股関節を少し柔軟にすることをゴールにした利用は良いと思います。

本もメソッドも良いものだと思いますが、すんなり出来る人のためだけではなく、

うまく出来ない人のためのサポートとしてやってみてうまく出来ない人のパターンという項目が本にあったら良いのではないかと思いました。

そして、もしも出来るなら、
本購入者にはパスワードによって見られる動画があったらよかったのではないかと思います。

効果が出るかということのためではなく、安全のためにです。

どんなものでも、何もない状態0(ゼロ)から一つ作り出すというところが大変です。
このメソッドも世に出してこれからきっと良い状態に改善されていくと思います。