「声が出にくい」「声を出すとすごく疲れる」という症状へのアプローチ例
声を出すって、健康な時にはなんとも思わない普通の行為です。
でも、具合がひどく悪くなった時は、声を出すのもすごく大変な力がいることに気づきます。
- お見舞いに行ったら、話すのが大変そうだった。
- お見舞いに来てもらってお話したのは楽しかったけどすごく疲れた
という経験のある方も多いのではないでしょうか?
当院に、声を使うお仕事をされている方が
「声が出にくい」「声を出すとすごく疲れる」
という症状でいらしていました。
要約したシンプルな話
カイロプラクティック的な視点でみつつ、関連筋肉と関係の深い筋肉にアプローチする。
ということをしました。
もちろん身体全体にもはたらきかける(全体の神経のはたらきを整える)ということもしまして、良い状態になられました。
発声のための筋群等に器官としての問題がない場合は、外で関連している筋群等へのアプローチをすることも必要なのではないかと考えて施術にあたりました。
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この先は、もうちょっと細かい話をします。
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カイロプラクティック的な視点
カイロプラクティックメリックチャートというものがあります。
これを見ると
頸椎5番(C5)に
関連した組織:声帯
関連した症状:しわがれ声
と、あります。
症状がしわがれ声では、「声が出にくい」「声を出すとすごく疲れる」という症状とぴったり合うわけではありませんが、抽象度高く見ると関連があることがわかります。
C5の環境を良くすることを考えました。
↑「環境」つまり、C5だけをいじればいいということではない。
発声に関わる筋肉とC5
発声に関わる外側の筋肉だけでもズラッとこれだけあります。
しかし、これら全部を一つ一つを考えるのではなく、全部が連動している(関連して動いている)という視点で考えます。
全体に関連しているのが舌骨であり、首の前側の筋肉であることがわかります。
それらに対してアプローチしました。
- 顎二腹筋
- 茎突舌骨筋
- 顎舌骨筋
- おとがい舌骨筋
- 胸骨舌骨筋
- 肩甲舌骨筋
- 甲状舌骨筋
※上記は発声に直接かかわる声帯筋を省いています。
さらに…
迷走神経が分岐して下行していく時に声帯の運動筋肉繊維を含んでいます。
そして、声を出すって、声帯が長さ調節・短縮・引き伸ばす・閉鎖・開く…などの複雑な動きがバランスとってはたらいています。
実際の該当する方にお会いしたことはありませんが、ドラマや映画でショックを受けて声が出なくなったというのをみますよね?
これらバランスをとってはたらく場所だけに繊細な動きを求められる場所だから、心への衝撃がこのバランスを止めてしまうのかなと想像します。
完全に声が出ないといった場合は、そんなことだけでは足りないと思います。
でも、声が出にくい・声出すと疲れるといった場合、外側をベストにしつつ、心のコンディションも整えることが大事かなと考えています。
↓図から名称を覚えてほしいということではなく、首のような小さな場所でこんなにたくさん部品があって、それらの中に小さな筋肉があって、詳細にはたらいてくれているというイメージのために掲載します。