カルシウムが足りないと石灰化のリスク…栄養面からの話
関節が痛いという方々の中には、石灰沈着という問題を抱えている人がいます。
病院に相談することも大事です(何か病気が潜んでいないかということも考える)し、自分で出来る生活習慣の向上も大事です。
今日の話は、出来るだけ整理して話しますが、一側面だけ捉えると誤解も出てしまう内容です。
一側面だけが良くなるのではなく、バランスが大事と捉えてください。
石灰化の問題は以下の三つから考えます。
この三つのうち、どれが多くを占めるかということはあっても、全体が関係していると考えられます。
血液中のカルシウムの調整
血液中のイオン化カルシウム濃度は8.8~10mg/dlで調整され、
甲状腺ホルモンと副甲状腺ホルモンというホルモンが調整をしています。
血液中のカルシウムが足りないと…
副甲状腺が感知して、
- 腸管でのカルシウム吸収 を促進
- 骨からのカルシウム溶出 を促進
- 腎臓でのカルシウム再吸収 を促進
をします。
血液中のカルシウムが過剰になると
甲状腺が感知して、
- 腸管でのカルシウム吸収 を抑制
- 骨へのカルシウムの沈着 を促進
- カルシウムの尿中への放出 を促進
します。
だから、まずは、甲状腺が正しくはたらけていることが大事です。
ストレスがかかり過ぎて、甲状腺が酷使されると、はたらきが悪くなります。
※酷使されるとはたらきが悪くなるのは、身体のどのパーツにも言えます。
血液中のカルシウム足りてる?
直接的なカルシウムという食品で言うと…
煮干し、切り干し大根、ワカサギ、がんもどき、モロヘイヤ、生揚、小松菜、牛乳…がカルシウムを多く含んでいる食品です。
カルシウムのはたらきは、
- 骨や歯の形成
- 細胞の情報伝達
- 血液の凝固作用
- 筋肉の興奮性の抑制
- 心筋の収縮作用
- 刺激に対する神経の感受性の抑制
- トリプシンなどの控訴作用の活性化
等があります。
骨や歯としても大事だけど、身体のはたらきのために必要です。
身体のはたらきを優先するために起こる…
なので…血液中にカルシウムが足りないと、
身体のはたらきが悪くなることは身体全体にとって問題なので、骨だって大事だけど、生死に直接絡まないから、骨がどうぞって血液中に渡しちゃう。
それが、骨からすると寸志のような量でも、血液中には多すぎるということもあり、
カルシウム余剰の血液が身体に行き渡り、それが関節だと石灰化沈着が起こります。
これらは、あくまで、カルシウムが過剰で石灰化するのではなく、足りないから石灰化してしまうというところを理解出来たらと作ったイメージです。
他にも骨代謝には、ビタミンDも絡んできます。
身体を使うという面では
運動も必要
よく運動をして、刺激がいくことで骨芽細胞も破骨細胞もどんどん生まれて、身体が活性化していることも大切です。
姿勢も大切
必要な場所に必要に骨が増えるには、正しい姿勢で必要な場所に刺激がいくことも大切です。
このあたりは、既に石灰化で炎症している時には、やればいいというものではありません。こういうのもバランスです。
健康に必要なものと同じです。
- 栄養
- 睡眠
- 運動
これが大事です。
女性に多い石灰化や変形
大雑把に話しますが、
骨が減るホルモン
- 副甲状腺ホルモン
骨が減るのを防ぐホルモンには、
- カルシトニン(甲状腺)
- エストロゲン(女性ホルモン)
があります。
長年、これらで、バランスよく骨を作り替えてきました。
ところが、閉経後または閉経前のバランスの変わる時期から、仲良くやってきたこの関係性が変わってきます。
減りそうだから、減って来たから、減ったからと何か始めるより、そもそもの三大健康土台である「栄養」「睡眠」「運動」は大事にしましょう。