背骨は真っ直ぐになる?真っ直ぐにすべき?カイロプラクティックで真っ直ぐにできる?008
カイロプラクティック略歴のところで話しましたが、パーマーさんが、ハーベイリラードさんの出っ張りのある背骨を動かすことでハーベイリラードさんの難聴がよくなったということがきっかけです。
そのきっかけから背骨と身体の関係を研究して、カイロプラクティックというものができて来ました。
背骨ががたがた?!
みんなの背骨は、事故や怪我でおかしな方向に動いてしまったんでしょうか??
もしもそうなら、背骨のようすが悪い人は、みんな過去に事故に遭ってますよね?
でも、多くの人は、日常生活の積み重ねで背骨のようすが悪くなっています。
ようすが悪いとは、背骨の動きが悪いという意味です。
この場合の背骨の動きとは、関節の「遊び(余裕)」が少なくなっていることを指します。
背骨の関節の遊びがなくなっていると、
- 遊びのなくなっている部分から出ている神経の支配先に問題が出る可能性もあります
が、
- 遊びのなくなった部分があるせいで、別の場所の遊びもなくなっていることもあります。
動き(遊び)のない場所がたくさんになっている可能性はあります。
でも、
背骨がガタガタ?!とかあるのかな?!
背骨がガタガタと言われた。
という言葉が耳に入ってきたので、気になりました。
本当にガタガタかは見ていないからわからないけど、背骨ガタガタって言われた方はショックなんじゃないかなーと思いました。
たくさん動きが悪くなっている人はいっぱいですが、ガタガタって…私はちょっと違う気がします。
背骨は真っ直ぐがいい?
背骨は、厳密には、生理的弯曲があって真っ直ぐがいいと言えます。
- 腰椎(ようつい・この写真で赤色部分)が少し前
- 胸椎(きょうつい・この写真で黄色部分)の上の方が少し後ろ
- 頸椎(けいつい・この写真で緑色部分)が少し前
この理想的なカーブの状態を真っ直ぐと呼ぶとしても、この真っ直ぐにいればいいんでしょうか?
❌❌❌
確かに理想的なカーブというのも、
姿勢的に理想的に真っ直ぐというのも
良しとされますが、例えばポスチャースクリーンという姿勢分析器で姿勢を見ます。
でも、ここで理想線の緑線の上に
耳孔・肩先(肩が前に丸まっている人ではカーブが始まる場所)・大転子(だいてんし・大腿骨の出っ張っている場所)・膝・踝(くるぶし)が綺麗に重なっていたとしても、
- 背骨の動きがないと、症状に悩まされますし、
- 少しも綺麗な線上に乗っていなくても、特に不調がない
です。
姿勢は、日常生活の積み重ねでできていますので、
- 理想線から離れていたら、理想線に近づけるようになった方がいいですが、
- 理想線上にいても背骨の動きが小さければ、動きをつけていく必要があります。
カイロプラクティックで背骨を真っ直ぐにしているの?!
これも、どこかで話していますが、カイロプラクティックは、右にあるものを左に持っていくという療法ではありません。
身体をいいポジションにするには脳のはたらきが必要です。
身体をいいポジションにするには
- その脳が勘違いをしているので、それを正しく認識してもらうこと
- いいポジションを取りやすいように、関節の動きと筋肉の柔軟性を取り戻すことです。
そこに於けるカイロプラクティックの役割は、
- 脳の再教育です。
脳の中に手を突っ込むわけではなく、脳が情報をとってくるためのポジションをよくすることです。
背骨が曲がっているとだめ??
↑例えば、こういう作業を繰り返しても、
「真っ直ぐ立つように」
言われて、真っ直ぐの場所がわかっていて、真っ直ぐになれれば問題ないですよね?
背骨って骨が積み重なってラインを作っています。
そのラインは、
- 背骨の遊び
- 筋肉の柔軟性
が重要です。
背骨が右に行ったり、左に行ったりするものではありません。
カイロプラクティックで真っ直ぐにするわけじゃない
本来の身体の調子を持ってすれば、本人が真っ直ぐ(生理的弯曲を持って)になれます。
でも、蓄積疲労、蓄積何か?で、真っ直ぐになりにくくなっています。
我々は、動きやすくすることはできるけど、真っ直ぐに無理矢理持っていくわけではありません。
カイロプラクティックの言葉
カイロプラクティックは、背骨を矯正する。と表現されることがあります。
カイロプラクティックは、アメリカから来た都合上、説明の原文は英語。
カイロプラクティックが日本に入ってきた昔に、イメージで和訳されてしまって、錯誤ある部分があるんじゃないかなということがあります。
背骨に対するアプローチをadjustmentアジャストメントと言います。
adjust(アジャスト)とは、直訳すると→合わせる、整える、正す、調節する です。
カイロプラクティックでの手技(しゅぎ)テクニックをすることをadjustと言う。
それを日本語的に「矯正する」という言葉が使われています。
イメージとして近いと思いますが、どこか「矯正する」という言葉は強いイメージになってしまいます。
ちなみに、同義ではないけど、同義に使われている言葉に、thrust(スラスト)という言葉があります。
しかし、厳密には、速い操作で行うことがthrustで、adjustという言葉の中の一つになる。
thrustは、直訳すると、突く、突き刺す です。
どこか、強い言葉のイメージが先走りしている感じがします。
「施術者が治す」というイメージがあって、矯正だったのかもしれません。
もちろん今でも、プロとして技術者として患者さんに向かいますが、口先だけじゃなく、本当に患者さんの本来の治癒力を補佐することが我々のすることだと考えています。